BHVSCP 番外編 呼び方 この国はスールという。隣国に比べたら領土は比較的小さい。けれど、ここでしか取れない特殊な鉱物のため、国は豊かといえた。 しかし、ある時王位継承の問題で国内は荒れた。まるで戦争でもしたのかと思われるほど酷かった。 それは国内だけでなく、その問... 2008.08.19 BHVSCP
BHVSCP 第10話 物語はハッピーエンドで〆るもの? 結局、自分の思うようにしか動かないユージアルを、どうにかしようなんて考えるほうが馬鹿らしくて、私はあっさり黙り込んだ。 その間もクリードさんとヒュウが文句を言ってくれているので、そちらに任せる。 私はというと、起きてしまったルチルの相手。お... 2008.07.29 BHVSCP
BHVSCP 第9話 プロポーズ? この状況でこんなことをされるとは思わなかった。さすがに想定外のことばかり続くし、今もそれを上回る感じだったのですぐに反応できない。 だけど他に人がいることを思い出し、大きく見開いていた目を少し横にずらしてみる。 するとそこには呆れた顔のクリ... 2008.07.23 BHVSCP
BHVSCP 第8話 解決一歩手前? なにがなにやら……この展開にまったく理解できずに黙っていると、扉が開いた。 そこにはクリードさんとヒュウ、そしてテルルさんに抱えられた子ども――私だと確認すると、急にテルルさんから飛び降りてこちらに向かってくる。「フォリーお姉ちゃぁんっ!」... 2008.07.19 BHVSCP
BHVSCP 第7話 窮地? こういう時はどう対処すればいいのか、師匠は教えてくれなかった。 そもそも、師匠は男の人だから、こういう状況になることはないんだろうけど。 どちらかというと、拘束される前に逃げろと叩き込まれてたんだっけ。ああ、拘束された時の対処法もちゃんと教... 2008.07.16 BHVSCP
BHVSCP 第6話 裏事情 剣を握り締めて立ち竦んでいると、どこからかまた名前を呼ばれる。「誰!?」「フォルマリール様!」 ええと、この声は……「テルル……さん?」「大丈夫ですか?」「大丈夫というより……テルルさんこそ、なんでここに?」 この時間、テルルさんは他の事を... 2008.07.14 BHVSCP
BHVSCP 第5話 剣試合 ヒュウェット王子と剣を交えるのに、着替えるかと尋ねられたけど断った。「しかし、それでは動きにくいだろう?」「まあね。でもこういうのに慣れておくのもいいかなって」 なんかここから逃げられそうにないし、それならこの格好でもうまく立ち回れるように... 2008.07.13 BHVSCP
BHVSCP 第4話 お気に入り度は何パーセント? 「……今まで八つ当たりで物を投げられたことがないわけではないが、遠慮なく本を投げてくる女は初めてだ」 投げた本は見事に王子――ユージアルの顔に直撃した。角ではなく平面が当たったから痛みは少ないだろうけど、代わりにユージアルの顔全体が赤く染ま... 2008.07.12 BHVSCP
BHVSCP 第3話 和やかムード? 私はいったい何をしているのだろう? そう思いながら、窮屈なテーブルマナーで料理を食べる。いやこれは食べるとは言わない。美味しいのかもしれないけど、味が全然分からないほど緊張していて、細かく砕いた食べ物を飲み込んでいるだけだった。 しかも極力... 2008.07.09 BHVSCP
BHVSCP 第2話 シンデレラの作り方 泡いっぱいの浴槽に突っ込まれると、体勢を整えるまもなく押し込まれて、そのまま柔らかい布でごしごしと擦られる。さすがにこれだけ力を入れて熱心にされると、柔らかい布でも痛くなってくる。 溜まった十日間の垢を――いや、それ以上取るかのように擦られ... 2008.07.07 BHVSCP
BHVSCP 第1話 久しぶりの王都 「おめでとうございます!!」 明るい声と共に、パチパチパチといういくつもの拍手と、そしてそこに集まる人たちの笑顔――それが王都サフィリンに辿り着いた私に向けられたものだった。 いったい何事!? と思うのは仕方ないだろう。 ちなみに喜んでいる... 2008.07.06 BHVSCP