お題3

こんなシーンで20のお題

17 噛み付くようなキス

※この話は「20.振り向いたその先」の前に当たります。  ルークにガウリイの想いを諭されてから、あたしは気づくとガウリイのことを見てることが多くなった。 見れば見るほど、やたら頬が熱くなってくるくらい、ガウリイの視線は想いが込められている。...
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20 振り向いたその先

あたしは半分荒野と化しているサイラーグの街に訪れた。 ここはあたしが知る限りでも三回は滅んでいる。いや、冥王の時は見せかけの街だったし、魔王の時も街が滅んだとは言いがたいか。 けれど、三回もそういうことがあると、この街には何か因縁めいたもの...
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19 秘められた関係

「ふんふふん~♪」 あたしは一人で町をぶらついた後、上機嫌で宿へと戻った。 今はガウリイだけじゃなく、ゼル、アメリアと四人で旅をしていて、ガウリイとゼル、アメリアとあたしの二部屋を取っていた。 宿に戻ったとき、アメリアはもう戻っていると聞い...
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09 駄々を捏ねる

なんとなく寝付かれなくて、まだ騒がしい一階の酒場に顔を出した。 一人で飲むのは久しぶりで、なんとなく緊張してしまう。いつもなら、隣にルークがいたから。 酒場はすでに酔いつぶれている人などがいて、思ったより静かだった。 カウンターに座って、カ...
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07 告白

「一体どうしたんだ?」 ざわざわと騒がしい酒場の一角で、俺は今一緒にいる男――ガウリイに尋ねた。 いつものヤツにしては珍しいほど思いつめた表情で、ウィスキーを生で呷ると、コトリとテーブルに置いた。「黙っていては分からんだろうが」「……」 黙...
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15 果てなき憧れ

私には妹がいる。 私より三つ下の妹は、大きな赤い目に可愛らしい顔立ちの娘だった。 私は妹が十五の時に、『世界を見て来い』という言葉で、まだ幼い妹をこの世界へと放り出した。 とはいえ、それまでに私は出来る限りのことを妹に教えたつもり。 そう、...
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08 後ろから抱きしめる

あたしたちは囲まれていた。 森の中、あちこちに影が見え、その影が少しずつあたしたちを囲んでいく。 周りを囲んでいるやつらは、昨日吹っ飛ばした盗賊たちの残党に違いない。あんな三流を相手にするのは問題なかったけど、昨日のお宝を持っているのと、無...
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16 追い詰める

晴れていて雲が少なく星々がよく見える夜だった。 サイラーグで魔王となったルークとやり合ってから、ガウリイの提案でリナの実家ゼフィーリアに向かっている途中の宿でのこと。 なんとなく不思議な気持ちで寝付かれなかったリナは、窓を開けそこから空を見...
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01 押し倒す

俺はカルマート公国の中央付近にある町にいる。 それまではその北部にあるカンザスという所で古い遺跡の探索をしていた。そこには俺にとって有益なものはなかったが、結構珍しいマジック・アイテムを見つけた。 それは俺にとって特に必要なものでもなかった...
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03 届かぬ声

――ルーク 目の前のよく知る人物は怒りに我を忘れ狂気に走っている。 関係ない人も巻き添えにして、あたりを血の色に染めていく。 ――ルーク、もうやめて! 私は一生懸命訴えたけど私の声は彼に届かない。 それもそのはず、私はもう死んでいるただの幽...
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04 忠誠を誓う

久しぶりにセイルーン王宮に訪れたかつての旅の友――ゼルガディスにアメリアは嬉しそうに地図を見せて、あるところを指差した。「ゼルガディスさん、ここにゼルガディスさんの体を元に戻す方法があるかも知れないんです!」 久しぶりに会えたアメリアは旅を...