ステップ Step 10 「これからは…」 「あーおいしかった!」 リナに希望された店に行き、メシを喰った後、外に出ると開口一番でリナが背伸びをしながら言った。 その表情に邪気はなくて、本当においしいものを食べた喜びでいっぱいという感じだ。やっぱり、リナは食べ物で釣るのが一番なのかと... 2019.03.24 ステップ
ステップ Step 9 「悶える」 三月に入るとすぐに店はホワイトデーのコーナーを作って賑わっている。それでも二月のバレンタインのコーナーほど賑わってはいないかったが。 買い物ついでにそこを見たのは、気になる|娘《こ》の卒業式のすぐ後だった。 気になる|娘《こ》――リナは、お... 2007.10.11 ステップ
ステップ Step 8 「卒業式」 今日はあたしの卒業式だ。これで高校生活が終わり、それから地元の公立の大学に入る。 あたしにとっては、ちょっと大人になった気分。大学に行ったからっていっても、まだまだ親に世話になることには変わりはないけど、それでも高校生ってのと大学生っていう... 2007.02.24 ステップ
ステップ Step 7 「彼女との違い」 一月の終わりになると、お店のあちこちでバレンタインコーナーができる。 明らかに義理と思われるようなものから、普通では買えないような高いものまで品揃えは豊富で、あたしはこれを見に行くのが好きだ。 もちろん自分のためにも買う。だって、この時じゃ... 2007.02.11 ステップ
ステップ Step 6 「一歩前進!?」 中華料理店で食べられるだけ食べて、その後リナが行きたいと言っていた海浜公園へと向かう。カーナビで海浜公園を設定し、その後入っていたCDを流す。「あ、この曲!」「ん?」「あたし好き」「え? これ好きなのか?」 流していたCDはあるドラマのサン... 2007.01.08 ステップ
ステップ Step 5 「自覚なし?」 またやってしまった――そうして自己嫌悪に陥る。 今日は彼女とデートの予定だった。けれど仕事が終わらなくて、午前中は休日出勤をして仕事を片付けていたのだが、気づいたら待ち合わせの時間を二時間以上過ぎていた。 携帯を見ると何度か彼女から電話があ... 2006.09.03 ステップ
ステップ Step 4 「原動力」 困った。彼女とデートするために映画のチケットを取ったのに、彼女のほうからキャンセルされた。 まあ、お互い仕事をしているから、平日デートは仕方ない。こういうこともあるさ、とオレは自分に納得させた。 そして、ふとリナのことを思い出す。この間マッ... 2005.11.09 ステップ
ステップ Step 3 「食と男女の関係」 久しぶりに来た遊園地には、新たなジェットコースターが追加されていた。他にもいくつか新しくなっていて、前に来たときと違い、新鮮さに溢れていた。 ガウリイは絶叫系に乗ってすっきりしたいと言っただけあって、そういうものばかりを選んで乗ることになっ... 2005.11.08 ステップ
ステップ Step 2 「車」 「なあ、今度遊園地に遊びに行かないか」 始まりは突拍子もない発言だった。 この発言をしたのは、ガウリイ――バイト中に会った社会人の男の人。一言で言うと、よく食べるでっかい美形のにーちゃん。黙っていればモデルのようで、ナンパなんてしなくても女... 2005.11.07 ステップ
ステップ Step 1 「出会い」 それはよく仕事帰りによるマッ●に入った時だった。「いらっしゃいませー」 高い、いつもより大きな声がオレを迎えた。カウンターの向こうには小さな女の子。高校生のバイトかな? と思った。赤い大きな目が好奇心いっぱいでオレを見ている。そこには、通常... 2005.11.06 ステップ
ステップ Step 0 「実はLast Step」 あるマンションの一室で、あたしはずずーっとお茶を飲みながら、目の前の二人の会話を聞いていた。「本当にかわいらしいお嬢さんねえ」「だろう?」「ええ。料理も上手で、いいお嫁さんになるわね。良かったわね。ガウリイ」「ああ。母さんも気に入ってくれて... 2005.11.05 ステップ