相棒関係迷走注意報

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相棒関係迷走注意報 8

心臓の鼓動がうるさい。ガウリイはそう思うと、胸の上で服をぎゅっと掴んだ。 世の中の告白というものが、こんなに気力体力時の運が必要なものだと、ガウリイは初めて知った。 同時に、一見追い詰めているようで、でも、きちんともう一度告白するチャンスを...
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相棒関係迷走注意報 7

――溜め込むのは良くないよ、リナ。  次に起きた時にはガウリイにちゃんと自分の気持ちを口にしてごらん。  ガウリイのこと好きなんだろ? ちゃんと言葉にしたら、ガウリイも喜ぶよ。 ふわふわとその言葉を反芻しつつ、リナの意識は覚醒した。 半分ぼ...
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相棒関係迷走注意報 6

アルベルトは久しぶりに楽しかった。 だから楽しませてくれた少女に、ほんのちょびっとだけお礼をしてあげようと寛容になったのが悪かった。「ねぇ、本当に好きなだけ食べていいの?」「もちろん。臨時収入が入ったからね。確かに君がたくさん食べるのは知っ...
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相棒関係迷走注意報 5

天気は心を映す鏡なのか、今日の空はリナの複雑な心と同じで曇天だった。厚い雲が空を覆い、いつ雨が降ってもおかしくない微妙な空模様。 部屋の窓から空を眺めながら、リナは今日はどうしようかと考えた。本当ならゼフィーリアに向けて旅立つはずだったが、...
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相棒関係迷走注意報 4

今日、ガウリイとリナが泊まる部屋は三階の一番奥から二つ取った。 ガウリイは手前の部屋だったが、途中で行き過ぎたと思い、後ろを振り返ろうとしたとき、そこにリナの部屋の扉が目に入った。気がつくと夜中だというのにリナの部屋の扉を叩いていた。 たぶ...
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相棒関係迷走注意報 3

ざわざわとざわめく薄暗い部屋。 酒が入った勢いで、店の女性に手を出してトレイで殴られる客。それに、酔いつぶれて酒の入ったコップを握り締めたまたテーブルに突っ伏している客がいる。 ここはリナたちが泊まる宿とは違う、町の酒場のうちの一つだった。...
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相棒関係迷走注意報 2

食事が一段落し、テーブルに空になった皿が山積みにされた中で、リナはガウリイに一言「知り合い?」と尋ねた。 壁のほうでこちらに視線を向ける男二人の存在は、リナもちゃんと気づいていた。 美女と間違えそうな若い青年と、しっかりとした体躯の彼よりも...
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相棒関係迷走注意報 1

日が暮れて夜になると食堂は一番繁盛する時になる。旅なれた一組の男女が立ち寄った店も例に漏れず繁盛していた。 二人はとりあえず、とメニューにある料理を全部注文し、来るたびにものすごいスピードで平らげて、テーブルの端に皿の山を作った。周りに座っ...