「うわっご飯だー」
「前に言っていたのか？」
「うん、そう。こんなところで食べられるとは思わなかったよー」
といいつつすぐに手をつける。
「あつっあつっ…でもおいひーっ！ ああ、あとはのりたまがほしい！」
「のりたま？」
「うん、ふりかけ！ かけて食べるの。おいしいよ！」
テンション高めに答える優花。
「……（こんな主食だけのものがおいしいのか…）」
使い方が分からないので箸でつつくのみのベルディータと、どこまでも庶民派な優花。
「ご飯…だね」
「はい、ご飯ですね」
「とりあえず食べよっか。たくあんもあるし」
「そうですね」
二人して箸を取る。
「ご飯なんて久しぶりです」
「だねー。ああ、これに新鮮な卵があれば…」
「卵かけご飯ですね。あれ、おいしいですよね」
「だよねー。おいしいし、貧乏なときは貴重なタンパク源だし」
「……（ミオさんってどんな生活していたのかしら？ バンドで華やかなイメージしかないんだけど…）」
ちょっぴりミオに対するイメージが崩れたタマキでした。
ちなみにアスル・アズールとフィデールは遠慮した。
「これはいったい…」
「分からんが、食べ物なのは確かだろう」
「いや、そうかもしれないけど……って、確認する前から食べるんじゃない！」
「そういうが…結構さっぱりとした味でおいしいぞ。この黄色いのと一緒に食べると塩気がちょうどいい」
「……王子なんだからもう少し警戒しようよ…」
「フォリーが警戒しすぎるんだ。どう見ても食べ物にしか見えないぞ」
「だから…それに毒が入っている可能性だってあるんだよ？」
「口にすれば分かることだろう」
「それはそうだけど…もう少し警戒というか…王子なんだから拾い食いはどうかと思うんだけど」
「拾ってはいないぞ。こうして机の上にきちんと載っていて、食べてくれといっているじゃないか」
「……（ああいえばこういうんだから…このタヌキ！）」
