お話 紅 6 隣の部屋で小さな物音がしてガウリイははっと顔を上げた。 それまで、自分はなんであんなことをしたんだろうか、と頭を抱えていた時だった。 どうしてその小さな物音に気付いたのか分らない。 けれど何か思うところがあり、慌てて窓を開けた。すると、道路... 2005.08.15 お話
お話 紅 5 「……なんの用? ゼロス」 突然現れた人物に、リナの酔いは一気に覚めて、警戒心を顕にゼロスと呼ばれた人物を見た。「もちろん、忠告のつもりですよ。リナさん」「……」 笑みを絶やさないゼロスに対して、リナは反対に緊張していた。 それもそのはず、... 2005.08.15 お話
お話 紅 4 「どうしたのよ?」 リナは珍しく難しそうな顔をしたガウリイに尋ねた。 獣油が炎が揺らめく部屋で、リナは酒にあんまり強くなく、すでに半分酔っていて頬がほんのり赤く染まっていた。 素面のリナならガウリイの変化をすぐに察することができたのだろうが... 2005.08.15 お話
お話 紅 3 二人はセイルーンに向かう道を話しながら歩き、日が暮れる頃には町の宿屋で泊まることにした。 ガウリイは野宿でのんびり夜更けまで会話を――とも思ったが、久しぶりに飲みたい気持ちでもあった。リナもおいしい料理が食べたい、と宿に泊まることを希望した... 2005.08.15 お話
お話 紅 2 ガウリイは予定通りサイラーグを後にした。 シルフィールが名残惜しそうに見ているのを背に、住み慣れた家を旅立ったのだ。さすがに二年間住んだ街である。離れるのはそれなりに寂しさを感じた。 久しぶりに昔の装備を身に付けたせいで、そんなことを思った... 2005.08.15 お話
お話 紅 1 ふう……一人の青年はため息を一ついて、仕事のひと休みに入った。 彼の名はガウリイ=ガブリエフ。そしてここはサイラーグという街である。 ここは二年前に破壊にあって以降、あちこちでいまだに復興が見られている。そんな場所では肉体労働をこなす彼のよ... 2005.08.15 お話